盆休みを利用して久しぶりに昔歩いた故郷の町を散策しました。
場所はといえば、名古屋市のお隣にひっそりと存在する瀬戸市です。昭和初期まで陶磁器産業の街として発展しましたが、近年は・・・2005年に時代錯誤の万博『愛・地球博』の開催地になったりしましたが、その街興し効果は地方にありがちな大型のハコモノだけが残されただけ。大都市名古屋のベッドタウンとして市内人口だけは順調に増加しているようですが、出身者の私の目には衰退し変わっていく町の姿が痛々しく、悲しく映ります。悲観的過ぎるのでしょうか?
昔、瀬戸市の中心街といえば名鉄瀬戸線の終点『尾張瀬戸』からJRバスの記念橋駅、その周辺のアーケード街だったように記憶しています。記憶をたどりながら自転車で走りました。商店街はどれもシャッター通り同然で、人影はまばら。街を通過する自動車だけがやたらと忙しく道路を埋めていました。昔は記念橋駅をバスで降りて、ショッピングセンター『エビスヤ』で買い物して、末広商店街の中にある和菓子屋で名物だった大判焼きを買って帰るのが我家のお決まりのコースでした。今ではエビスヤも無く、末広商店街の店舗の多くはシャッターが閉まっています。JR記念橋駅の特徴的な建物も10年前に無くなったとのことです。
自転車で走っていたらお腹が空いたので、瀬戸街道を通って尾張旭市側に抜けてみました。途中で見つけたのがセルフ食堂『どんどん庵 旭前店』。
大学の頃、小幡にも同じお店があり、近所でバイトしていたので毎日食べた記憶があります。最近は名古屋名物「あんかけスパ」のメニューもあるようですが、今回は材料不足でメニュー終了していたので、ベーシックにかけうどん(並・280円)を注文。お椀に出された麺を自分で釜の湯に入れて温め、汁を入れて頂くシステムでした。あっという間に完食し、店を出て尾張旭駅前に向かいます。
尾張旭駅前の一帯は、駅前だけ建物が増えたけれど、ちょっと歩けば昔から変わらない田園風景が広がっていました。高校生の頃からこの風景が大好きで、今回も良い空気をたっぷり吸収できました。
尾張旭市から再び瀬戸市内へ自転車を走らせ、瀬戸環状線を横切ったところで夕暮れ時に。夕焼けをバックに電車を撮影・・・のはずが、電車がちっとも来ないまま、日が暮れてしまいました。山間を抜けて田畑で冷やされた風が、暗くなった田舎道を行く自分の足元を吹いていきました。(終わり)